(almost) daily corleonis

2024.07.04 Thu.

最終日、今日の目的はただひとつ「高木珈琲」へ行くこと。京都にいた頃は週2で通っていた大好きな喫茶店だ。昨日に引き続き親友を引き連れ、高辻を進むと懐かしい看板が見えてきた。店内に入ると、わたしの顔なじみの店員(通いすぎてもうメニューも持ってきてくれなかった)は一人もおらず、椅子などの設備も新しくなっていた。このようにマイナーアップデートを経て店は続いていくのである。珈琲豆は時々オンラインで注文していたのだが、店で飲むそれは格別で、改めて自分が一番好きな珈琲だと思えた。

親友に別れを告げ、本屋に寄ってユリイカ6月号「特集:わたしたちの散歩」を購入し、新幹線へ乗り込む。楽しかった思い出と疲労感が交錯する。この3日間の情報量の多さで当分暮らしていけそうなくらい、今の生活は凪のように平穏だ。近所の犬と遊んだとか、市場に夏の果物が並び始めたというようなことが最近のわたしのホットトピックスである。

家に到着すると、庭の紫陽花が咲き始めていた。出かける前はまだ緑だったのに、 青々としている。暑くてへたれかかっていたが、たっぷり水をやると息を吹き返し、思わずインスタのストーリーに上げる。そして、これが京都で暮らしていた頃には知らなかった幸せなのだと気付いた。

2024.07.03 Wed.

クーラーをつけずに寝てしまい、夜中に暑くて目が覚める。この水中のような湿度と猛烈な暑さが京都の夏だということを思い出す。今日は中学からの親友がアフタヌーンティーに誘ってくれたので、二条城前にある「HOTEL THE MITSUI KYOTO」へ。京都暮らし最後の5年くらいは二条城の近くに住んでいたので、わたしにとって思い入れの深いエリアだ。Googleマップで場所を検索すると宿泊費18万円〜とありヒッとなったが、ラウンジで見た限りでは宿泊客は外国人が多そうだった(アジアの方も多い)。

お祝いもしてもらった

中庭が見える涼しい場所でのアフタヌーンティーは最高だった。美味しいお茶やお菓子を食べながらお互いの近況を話し合う時間が尊すぎる。死ぬまでにあと100回くらいアフタヌーンティーがしたい。

そのまま友人宅へ向かい、小学生になった息子さんの帰りを待つ。久々に会った彼は山田哲人のユニフォームを着ていた。手を洗い、棒アイスを食べ、宿題に取り掛かるのがルーティーンのようだ。「おおきなかぶ」を朗読して、計算ドリルを解き、親のハンコをもらう、その一生懸命な様子を見つめていた。帰り際に「明日も来る?」と聞かれて愛しさが倍増。次に会う頃にはもうそんなことは言ってくれないかもしれない。

ホテルに戻り小休止、汗がひくまでクーラーをフル稼働。まだ梅雨明け前の曇天でこんなに暑くて、真夏は一体どうなってしまうのか。夜は前職のメンバーとオンズに集合する予定。こちらも会うのは数年ぶりだ。四条通りを東へ向かい、木屋町を下がる。その行動すら懐かしすぎて嫌になる。大好きなインゲンのサラダとパテを注文し、ビールで乾杯。積もりに積もったここ数年の話をする。もしかすると目の前にいるこの人とはもう一生会わないかもしれないとちょっと泣きそうになったが、そういう意味でもこの場を設けてよかったなと思った。自分勝手な話だが、15年の区切りをつけるためにも京都に来てよかった。

二軒目は三条にある深夜喫茶「多聞」へ。広々とした空間でアイスチャイを飲みながら他愛もない話をする。帰り道、外国人の観光客たちが楽しそうにシンディ・ローパーを熱唱していた。いつの間にかわたしもひとりの客としてここを歩いている。その違和感が今でも拭えない。

2024.07.02 Tue.

自分に合った美容院(美容師)を探すことは本当に難しい。移住してからいくつか転々としてみたものの、なかなかこれといった美容院に巡り会えず早2年が過ぎた。東京は遠すぎるが、車で通えるような距離には見当たらない。そこで少し足を伸ばして松本まで行ってみることに。

美容師さんに期待することは、自分が好きそうなスタイルを提案してくれそうか、自分と話が合いそうかという2点である。インスタは、担当したお客さんの写真や本人のプライベートが垣間見えるので、フィーリングが合いそうな人を見つけるにはかなり有効な手段だと思う。ということで今回はインスタで見つけた美容師さんにお願いしてみた(読んでいた本や、普段の食事を楽しんでいそうなところに惹かれた)。

朝イチでお店を訪れ、カットとカラーをしてもらう。美容師さんはとても素敵な方で、リラックスしてコミュニケーションを取れたし、仕上がりも気に入ったしで大満足。これで長かった美容室探しもおしまいか…また次回もお願いしよう。施術中に周辺のおすすめランチを教えていただいたので、歩いて向かう。

peg」というこのお店は、昼はpeg dogというホットドッグが、夜はワインが楽しめるらしい。わたしが入店したときはまだ誰もいなかったのだけれど、コーヒーが届く頃には平日だというのにあっという間に満席になっていた。

peg dogはレーズンが入った甘じょっぱいパンにスパイシーなソーセージがのったものだったのだけれど、その美味しさに本当に驚いた。浅煎りのコーヒーも美味しくてホクホク、今度はぜひ夜に来てみたい。

さらに、美容師さんの今イチオシの「景色」というお店(まず名前が良い)にも行ってみたくてハシゴ。ナチュラルワインの販売や角打ちをやっているらしい。こちらはお客さんが誰もおらず、店員の方にゆっくりワインの説明をしてもらったり、お話したりできた。

アルザスのオレンジワインを選んで、街行く人を観察したり、友人から借りている瀬尾まいこ『夜明けのすべて』を読み進めたりした。窓から入る風がとても気持ちよくて、なんて贅沢な時間なんだろうと平日休みの素晴らしさを実感。

豊かな時間となった松本滞在だが、メインはこの後。特急しなのと新幹線を乗り継いで数年ぶりの京都へ。8月から新しい職場で働きはじめることもあり、この機会に懐かしい面々に会っておこうと遠征することに。今日はとりあえずいつメンに声をかけておいた。

わたしが京都を出た後にできた「コンコン」というコンテナと長屋を複数有するコミュニティスペース?のような場所に集合。久しぶりに会った面々は変わったようで全く変わっていなかったが、とにかくみんな酒が強いことだけは健在。わたしははじめの1時間くらいでキャパをオーバーし、その後ずっと水を飲んでいた。

今思い返せばあの場にいた半数は名前もわからない、その雑多な感じが懐かしかった。新しいコミュニティがあり、けれど我々の古いつながりも灯火は消えず(わたしのポジションには誰もつけないと言ってくれて嬉しかった)、京都の楽しい夜は更けていく。

なぜか黒子のような俺たち

2024.05.01 Wed.

突然思い立ってオンライン英会話をはじめた。

というのもかくかくしかじかで転職中なのだが、英語ができるというのはどの場面でもアドバンテージがあるなと思ったのと、せっかく(うっす〜いけれど)素養があるのだから改めてもう少し本腰入れて勉強してみるかと思った次第。ここ一年くらいはDuolingoを使って勉強する程度で、1日15分くらいだけど毎日欠かさず続けている。英会話は高校時代に留学していた以降はほぼやっていない。映画やニュースを見ても、自分の得意な分野のことなら聞き取れるが、そうでないものはとんとわからない。

以前、DMM英会話の無料体験を受けたことがあるが、なんとなくしっくりこなくて申込みはせず終わってしまった。比較サイトを見て、なんだか自分に合ってそうという直感でWeblio英会話の無料体験を申し込む。アカウント登録はGoogleアカウント等との連携はなしでシンプルにメールアドレスとパスワードで登録するタイプだったのだけれど、さっそくレッスンの予約をした後に「あれ、名前とか何も入力してない…?」と気づく。予約をした後に「プロフィール入力してみましょう!」という案内があり、名前や簡単なプロフィールを登録したが、初回予約のステップまで何も情報登録なしでいけるというハードルの低さはすごいなと思った。自分の英会話レベルを申請する必要があったので、とりあえず中級(Intermediate)で申し込む。

翌朝、初めてのレッスン。自己紹介もそこそこに教材を使ったレッスンに入る。やっていて気付いたのは、文章を読んで質問に答えることはできても、自分の意見を求められたときがなかなか難しい。「こういうことが言いたいけど言い方が難しい…」となりつつ話すと、すぐに先生が「それはこういう風に言うといいよ」と汲み取ってチャットでテキストに起こしてくれる。これがめちゃくちゃ良くて、「あ〜そうですそんな感じで言いたかったんです!」ということがレッスン中に何度もあった。

とても実用的な勉強ができて大満足だったので、終わってすぐ申し込みを済ませた。毎日1レッスン(25分)の予約ができるプランで、月々なんと5,778円。安すぎではないか…?というわけで毎日1時間弱勉強していくのが当面の目標。夏〜秋くらいには一度TOEICも受けたい。

2024.02.17 Sat.

ずっと行ってみたかった祖師ヶ谷大蔵にある古本屋 nostos books にてまっちーが展示をするというので、友人を誘って訪れることに。祖師ヶ谷大蔵駅に降り立つと、かつて円谷プロが本社を構えていたということで、駅前にウルトラマンのシンボル像が立っていたり、ウルトラマンタロウを模した街灯があったりとなんだかにぎやかであった。友人の彼も興味ありとのことだったので、3人で会場を目指しつつ街を練り歩く。

毎日レコードの絵を描き続ける個人プロジェクト「まいにちレコード」。2年半を越え数にしてなんと800点!これまで描いたジャケットたちがプリントアウトされランダムに置かれ、好きな一枚を探せるようになっているのが素敵だった。わたしはいろいろ悩んだが、大好きで思い入れのあるJames Ihaの"Let It Come Down"を選んだ。友人はMates of Stateの"My Solo Project"という一枚を選んでいたのだが、昔すごく好きだったことを、今回この絵を見て久しぶりに思い出したのだそう。そういう出会いもいいなぁと思った。ちなみにMates of Stateのメンバーは、以前来日時にまっちーの家に泊まったことがあるというエピソードも聞けてとてもおもしろかった。

今気づいたけどちいかわのうさぎがいますね

会場を後にし、パン屋をハシゴしたり、砧公園を散歩したり、世田谷美術館で「美術家たちの沿線物語 小田急線篇」という展示を見たり。初めて訪れる街を散歩することがとても好きだ。古いマンション、狭い駐車場にギリギリで駐められたいかつい車、公園でバドミントンをする家族、ゴミに集まるカラスの群れ、寝ている子供を気にしながら自転車を漕ぐ母親、いろんな情景がその街をつくっている。わたしたちも歩きながら個人的な話をする。ときどき笑い転げたりする。その瞬間はこの街の一部になっているのかもしれない。

夕食はima(アイマ)というお店へ、お願いしていたおつまみコースをいただく。わたしも友人も少食というか食べられる量に不安があるタイプなので、こういう軽めのコースはとても助かる。ごぼうを山椒で和えたものがとても美味しくて真似したくなった。締めは珈琲館のブレンドコーヒー。楽しい時間はあっという間で、またあずさに2時間乗って八ヶ岳へ帰る。この東京との距離感が今の自分にはちょうどいいなと思う。

次の日、クローゼットから大切な一枚を引っ張り出し、隣に並べて写真を撮った。わたしの新しいお気に入りだ。