(almost) daily corleonis

2024.09.14 Sat.

秋晴れの朝。掃除や洗濯を済ませ、ゆっくりコーヒーを淹れる。昨日三重まで釣りに行ってきた連れ合いの日焼け(というかほぼ火傷)がひどく、日焼け止めオタクの自分はなぜ塗らなかったのかとつい問い詰めてしまう。連れ合いの本の書評が最新号のPenに載っているらしく出版社の方が雑誌を送ってくださったので、つい良さげな写真が撮りたくなってしまい、コーヒーを飲み始める前にササッと撮影。朝の光に勝る照明はない。

3連休は草津温泉にある別邸で過ごす予定で、いつもは軽井沢を通って向かうのだけれど、今回は蓼科を抜けて白樺湖の方から行ってみることに。秋の日差しに照らされた黄金色の稲たちが美しい。白樺湖のあたりは人で賑わっていて、子供向けの小さなジェットコースターに乗って、両手を上げてオーバーリアクションに楽しむ大人たちの姿が見えた。

道中、宇多田ヒカルの話題で盛り上がる。わたしと連れ合いは同学年なので同じタイミングでシーンを通ってきており、この曲は中学3年のときだった、このアルバムは大学生のときだった、などと交わってはいない思い出を共有できることが楽しい。なぜAutomaticはあんなにヒットしたのか、初期のソリッドな疾走感は若さの為せる技だったのか、COLORSを初めて聴いたときの衝撃、DEEP RIVERといえば遠藤周作の『深い河』は読んだか、そんなことを話していたらあっという間に目的地へ着いてしまった。ちなみに『深い河』は読んでいないが『海と毒薬』『沈黙』『白い人・黄色い人』は高校生の頃に読んだことがある(家族内で遠藤周作ブームがあった)。『深い河』が最晩年に発表された最後の長編小説であることを知り、俄然読んでみたくなった。

着いたらすぐに着替えて、連れ合いは自転車で渋峠へ向かい、わたしは散歩へ。ポッドキャストを聴きながら10kmくらい歩く。帰宅して温泉でゆっくりと体をほぐし、拠点近くにあるネパール料理屋へ。わりと最近できたのだが、徒歩圏内かつ美味しい、空いている、安い、店員さんも親切と好きにならずにいられない店だ。毎回知らないメニューにチャレンジしていて、今日はミックストゥクパ(チベットの麺料理)、サモサチャット(サモサを割って、豆や玉ねぎと和えたもの)、ジブロフライ(タンのフライ)をオーダー。どれも美味しくて唸る。ビールも飲んでたらふく食べたのにも関わらずお会計が3,000円で少し心配になったが、毎回訪れることでサポートしていきたい。ネパールに行ってみたいと言われたが、コロナ禍の影響で海外旅行から遠ざかっていたこともあり、ちょっと気後れしてしまった。それでもレストランで見たポスターにあったような雄大な景色は、この目で一度見てみたい。

2024.09.07 Sat.

朝起きてXを見ていたら昨日から公開の映画『ナミビアの砂漠』を絶賛している人が多く、わたしもご多分に漏れず河合優実さんが好きなので、観に行ってみるか!と公開劇場を探してみるものの最寄りが東京という表示が出て、今から用意をして東京まで往復5時間、1万円以上かけていくのかと思うと冷めてしまった。気持ちを切り替えて1時間ほど散歩をする。

先月、親友からお祝いでバルミューダのトースターをもらった。わたしはパンが大好きで、家を訪れる友人に「お土産何がいい?」と聞かれると必ずパンと答えるようにしている(クロワッサンかハード系のパンだとなお嬉しい)。それにも関わらず、一人暮らしをはじめてから一度もトースターというものを所持していなかった。いざ使いだしてみると、コンビニのパンですら驚くほど美味しく焼き上がるので驚いている。餅も焼けるらしいので、寒くなってから試すのが楽しみだ。今日は食パンを焼き、マスタードを塗って母から送られてきたちょっと良いハムを乗せて食べた。

仕事で今週わからなかったことの調べ物をする。職種が変わったこともあり、諸々理解や整理が追いついていないので時間をとってゆっくり考えてみる。今はまだテトリスのブロックピースを形状も気にせずどんどん乗せてしまっている状態だと思う。速度や順番に合わせてきれいに埋めていけるようにしたい。途中で穴が空いてしまっても最後に消せればいいのだとは思う。たまに水色のI-テトリミノが来るかもしれないし。(テトリスやりたくなってきた)

窓を開けていると向かいの家からサイモン&ガーファンクルが聴こえてくる。どうやら洗車をしているようだ。わたしはMJ Lendermanのニューアルバムを聴いていたが、圧に負けストップして一緒にあちらの音楽を聴く。

一人で夕飯を食べるときは野菜炒めをつくる事が多い。今日はナス、近所のマダムにいただいたピーマン、ブロッコリー、トマト、豚肉の角切りをごま油で炒めて、最後にちょっと味噌を入れる。食べながらSF6の若人杯を観る。あまりにもアツくて、最後の高木くんの涙にちょっともらい泣きする。

長野でアウトドアイベントに参加している連れ合いから、野外で柴田聡子さんのライブを観たが最高だったと連絡が来る。そりゃ『Your Favorite Things』は2024年最高のアルバムだからね。

このあと永井玲衣さんの本を読み進めて寝ます。おやすみなさい。

2024.08.30 Fri.

この8月から株式会社microCMSで働きはじめた。

わたしは新卒からずっと同じ会社で働き続けてきて、転職を経験せずにここまで来た。代表2人のことが好きで信頼していたし、あまり他で働くことを考えたことがなかった。事情があって突然退職することになり、次に何を目指せばいいのかわからなくなった。エンジニアを続けていくか、何か資格でも取るか、近所で新しい職に携わるか、東京に単身赴任するか…何でもできるような気がしたし、何もできないような気がした。転職のつらさはよく耳にしてきたが、いざ自分がその立場になるとたまらなかった。

そんな折に今就いているポストの求人を目にし、業務内容を読んで素直にやってみたいと思えた。自分が今までやってきたことが役に立ちそうだし、その先のことを勉強したくなった。なんだか燃えてきて、選考に向けて今自分ができることをすべてやろうと決めた。リサーチ、勉強、制作と準備に準備を重ね、まるで受験勉強みたいになって、終いにはここまでやったしもう落ちても後悔はないという心持ちになっていた。

内定をいただいたときはほっとしたし、既に面接をしていただいた方たちのことが好きになっていたから一緒に働くことができると思うと嬉しかった。その後少しの充電期間を経て(このタイミングで5年ぶりくらいに風邪をひいた)入社。今日でほぼ1ヶ月となるが、毎日すごく充実感があって楽しくやらせてもらっている。自分の力不足に申し訳なくなることもあるが、褒められるとついニコニコしてしまうし、情報が整理されていてストレスがなく働きやすいし、ほぼ一回り違う同期がいるのも心強いし、メンバー皆思いやりがあり視野が広くて感服してしまう。自分も会社の力になりたいと心から思う。

ミッションに「エンジニアの武器を作り出し 世界の進歩を後押しする」とあるように、このプロダクトがエンジニアの手に馴染んだ道具となり、時に心強い味方となるような手助けができればと思っている。半年前は打ちひしがれていたのに、今では新しい夢ができた。自分が楽しんで努力できる人間だと知っているので、いろいろなことに興味を持って、ワクワクしながら進んでいきたい。

2024.08.05 Mon.

10年くらい前、ブックオフの100円文庫棚でおもしろそうな本を探してパラパラめくっていたら、偶然サイン本に出会った。サインだけではない、絵まで描いてある。海辺に並んだ2人がカモメを眺めているのだろうか。本物かどうかもわからないが、素敵なサインだなと思い購入。

『パイロットフィッシュ』の続編である本作は少し悲しい話で、最後まで読むとこの絵の意味がわかった。誰かがこの類ない一冊を売却し、サイン本とは気づかれず100円棚に並べられ、たまたま出先の古本屋でわたしが発見した。何度も読み直すわけではないが、わたしはこの一冊をずっと手放さないと思う。

大崎善生先生のご冥福をお祈りいたします。

2024.07.04 Thu.

最終日、今日の目的はただひとつ「高木珈琲」へ行くこと。京都にいた頃は週2で通っていた大好きな喫茶店だ。昨日に引き続き親友を引き連れ、高辻を進むと懐かしい看板が見えてきた。店内に入ると、わたしの顔なじみの店員(通いすぎてもうメニューも持ってきてくれなかった)は一人もおらず、椅子などの設備も新しくなっていた。このようにマイナーアップデートを経て店は続いていくのである。珈琲豆は時々オンラインで注文していたのだが、店で飲むそれは格別で、改めて自分が一番好きな珈琲だと思えた。

親友に別れを告げ、本屋に寄ってユリイカ6月号「特集:わたしたちの散歩」を購入し、新幹線へ乗り込む。楽しかった思い出と疲労感が交錯する。この3日間の情報量の多さで当分暮らしていけそうなくらい、今の生活は凪のように平穏だ。近所の犬と遊んだとか、市場に夏の果物が並び始めたというようなことが最近のわたしのホットトピックスである。

家に到着すると、庭の紫陽花が咲き始めていた。出かける前はまだ緑だったのに、 青々としている。暑くてへたれかかっていたが、たっぷり水をやると息を吹き返し、思わずインスタのストーリーに上げる。そして、これが京都で暮らしていた頃には知らなかった幸せなのだと気付いた。