(almost) daily corleonis

2024.12.31 Tue.

冬休み初日、発熱。以降今日まで4日間、何もなし得ていない。まだ熱も下がっていないし、なんなら今日が一番体調が悪い。特別予定があったわけではないのだが、連れ合いと出かけたり、ポテチでもつまみながら深酒したり、調子に乗って朝までゲームをしたり、ときには勉強をしたりするつもりではあったのだが、冬休みも前半戦が終わろうとしているのに、ただただぼーっとしてWikipediaのページをひたすら徘徊したりしていた。(ちなみにわたしは世界で過去に起きた事件に関するWikipediaを読むのが好きだ。例:アメリカ合衆国の事件 (1945年-1989年)

思い返せば今年の下半期はよく風邪をひき、7, 8, 11, 12月とこれで4回目である。20代の頃は一度も風邪をひいたことがなく、体温計すら持っていなかったのに。なぜこんなに風邪をひきやすくなったのかと考え、「痩せすぎなのでは?」と連れ合いに話したところ、「有酸素運動(= 基礎代謝、心肺機能の向上)が足りない」とのこと。来年は踏み台昇降でもやってみるべきか。

2024年は転職という大きな転機があり、職種が変わったことも相まって、自分の興味関心も大きく変化した一年だった。これまでは少人数の会社だったこともあり個人プレーも多かったが、今はチームに属しているという感覚がある。microCMSというプロダクトも、そこで働く人も環境も大好きなので、多くの方に使っていただけるよう引き続き頑張っていきたい。

今年読んだベスト本:岸本佐知子『死ぬまでに行きたい海』
(ちなみに2023年ベスト本は大崎清夏『目をあけてごらん、離陸するから』
2022年ベスト本は滝口悠生『長い一日』


今年聴いたベストアルバム:柴田聡子『Your Favorite Things』
(次点:MJ Lenderman『Manning Fireworks』

みなさまよいお年を。

2024.12.21 Sat.

先日、大江戸線のとある駅に降り立つと、改札までの道がM-1の広告で埋め尽くされていた。わたしは漫才というものに疎く、さらに言えば苦手意識すらある。嫌いというわけではないが、正直「よくわからない」のだ。

関西の大学に入学してすぐのこと、芸人が教室で漫才を披露するというイベントがあった。興味本位で見に行くと、やってきたのは千鳥。その時点で教室の生徒たちは大盛り上がり(わたしは彼らの存在すら知らなかった)。ノブがツッコむたびに拍手と笑い声が沸き起こり、立ち上がって盛り上がる人もいた。その熱気についていけず、わたしは終始ポカンとしていた。

漫才がよくわからない理由は、自分の中で理屈が落とし込めていないからなのかもしれない。「面白い」か「面白くない」かの判断すらできない。そうして次第に苦手な領域となり、飲み会などで漫才の話題が出るといつも「へ〜、今度見てみるわ」と言ってやり過ごしてきた。まさに臭いものに蓋をしてきた状態だ。

我が家では、ここ1年ほどまとまった時間があるとM-1グランプリを遡って観ている。漫才といえど、M-1が面白いと感じるのは、そこにドラマがあるからだ(オリンピックのときにだけ柔道や体操などを観る感覚に近いかもしれない)。2022年から視聴し始め、2008年のNON STYLEが優勝した回まで観終えたところだった。

そんな折、連れ合いがNON STYLE石田さんによる書籍『答え合わせ』を買ってきた。石田さんが「漫才論」について語り尽くした一冊らしい。「M-1の前に読んだほうがいい」と勧められたため、前日である今日、一気読みした。

漫才とはそもそも何なのか。どんな漫才が優れているのか。賞レースではどんな基準で点数が決まるのか。2023年の最終決戦組(令和ロマン、ヤーレンズ、さや香)のスタイルとは。笑い飯は何がすごいのか。これまで理解できなかったことが詰まっていて、一気にブレイクスルーした感覚を得た。

中でも目から鱗が落ちたのは、冒頭に書いてあった「漫才の基本は『偶然の立ち話』である」という点。そこからさまざまな方向へ展開されるものの、そもそもは「とある2人がたまたま会ってしゃべり始める」のが漫才らしい。過去のM-1決勝戦についても具体例が散りばめられており、観直していたおかげで記憶が鮮明なまま楽しんで読むことができた。

今は明日が待ち遠しくて仕方ない。フラットな気持ちで漫才を観ること。そして、自分が感じたことをもとに、後日石田さんによる解説で「答え合わせ」をすることが今から楽しみだ。

2024.12.01 Sun.

文学フリマ東京39へ。
今回は植本一子さんが出店するというので、発表されてからずっと楽しみにしていた。わたしはもう10年近く彼女の日記を読み続けていて(先日"一子ウォッチャー"という言葉を目にしたが、わたしも間違いなくその一人である)、そのきっかけを与えてくれた友人と一緒に足を運ぶ。植本さんにお会いできることももちろん嬉しいが、何より彼女の新刊に心を躍らせていた。

その友人から借りて初めて『かなわない』を読んだとき、圧倒されてしまい最後の方は自分の部屋でひとり2時間くらい立ちながら読んでいた。あんな読書体験はあまり他に覚えがない。

初めて降り立つ東京ビッグサイト。あまりの人の多さに会場入りした瞬間から酸素が薄く感じた。著名な作家の方が何のてらいもなくブースに座っていたりするのでこっちが驚く。ひとつひとつまわっていくと、数メートル先に植本さんの姿が見えて、自分の心臓が高鳴るのがわかった。

本をくださいと伝えると、わたしの名前入りのサインを書いてくださった。いつも彼女のネットショップから書籍を購入していて、宛名が手書きなことが気になっていたのだが、まさか本人が宛名書きしているわけないよな…と思いつつ、ファン心理で捨てられず空になった茶封筒が本棚にいくつも置いてある。サインに書かれたわたしの名前は、あの封筒の字と同じだった。受け取るときに手が震えて、自分が何を言ったのかも覚えていない。

帰りの電車でものすごい勢いで読み終えてしまった。今回は日記ではなくエッセイとのことだったのでどうかなと思っていたのだけれど、めちゃくちゃに良かった。今までとは違う読後感で、また次作への期待がふくらんだ。

#文学フリマで買った本

黒鳥社(来年虎ノ門に本屋をオープンすると教えてもらった!)の本と「おてあげ」は連れ合いへのおみやげ。買った本を並べてみたら、はからずも装丁が寒色ばかりだった。季節も冬になり、家にいる時間が増えそうなので、ゆっくり読み進めたい。

2024.11.10 Sun.

ルックバック』を観た。原作自体はジャンプ+で公開時(3年前)に読んでいて、話の大筋は覚えていた。当時読んだときは「藤野は京本には敵わない」という印象を持っていたのだけれど、違うなと思った。映像を通して藤野のという人間の凄みを感じた。

音楽が良くて誰が担当しているのかと「ルックバック 音楽」と調べたら、次の検索語候補に「うるさい」が出てきた。感じ方は人それぞれだが、わたしは登場人物が熱中していたり、思いが高まったときにグッと音楽のボリュームが大きくなるところにすごく引き込まれた。藤野と京本の初めての出会い(卒業式)の後、藤野が嬉しくて雨の中駆け出すシーンは特に印象的だった。映画館で観ていたらさぞかし胸を打たれたであろう。

映像になることで漫画で読んだ2人の軌跡に奥行きができて、「このシーンで2人はこんな会話をしたんじゃないか」「道中こんなことがあったんじゃないか」と、描かれていない部分まで想像を掻き立てられた(セミのシーンとかいいよね…)。

観終わってすぐ、サントラをiPhoneにDLして散歩へでかけた。日常に彩りを添えるような曲が多くて、歩いていて気分が上がる。わたしが近年よく聴いたアニメのサントラは『花とアリス殺人事件(fish in the pool)』『DEVILMAN crybaby』あたりだが、これはヘビロテになりそうだ。

2024.11.09 Sat.

朝から近所のアイリストさんのところへ眉スタイリングに。施術中におでこの形を褒められ、自分ではまったく認識していなかったと言ったら、わたしのおでこはつるんと丸みがあるらしく、この丸みを手に入れるためにおでこにヒアルロン酸を打つ人もいるのだと教えてもらった。この歳にして自分の顔のパーツの良い部分を知り、なんだか急に自分のおでこが好きになってきた。アイリストさんの肌が輝いていたので「肌ツヤツヤですね!」と伝えたら、「え…ウソ…うれしい…!」と恥ずかしそうに何度も喜んでいて、いいなと思ったことを相手に伝えるのは大事だなと思った。小さなことでも、その日一日くらいはうれしい気持ちでいられるかもしれない。

今週は山の稜線がくっきり見えて美しく、何度もiPhoneのカメラを掲げた。散歩で近所の方と挨拶するとき、「今日は山がきれいだね」と声をかけてくれる方も何人かいて、それぞれのタイミングで山を見ては感じ入っているのだなと思った。八ヶ岳もだいぶ紅葉してきた。

連れ合いが数日不在にしていて、食が雑になってきた。わたしは一人で食事をすることにあまり関心がなく、夕食を取らなかったり、サラダだけ食べたり、みたいなことをしてしまう。明日やっと帰って来るので、そろそろ美味しいものが食べたい。