(almost) daily corleonis

セッションがしたい

学生時代、軽音楽部に入った友達のライブが音楽室であるというので見に行った。すると、いつも同じ教室で勉強しているクラスメイトが楽器を演奏していた。曲は当時流行っていて、自分でもよく聴いていたJ-POP。前奏が鳴った瞬間、いつも耳にしていたあの音がギターやベースの組み合わせでできていて、音を重ねればテレビの向こうで鳴っているのと同じ音が出せるのだと知り、めちゃくちゃ驚いた。

それまで曲がどうやって成り立っているのか考えたこともなく、音が連なって重なって音楽になっているという発想自体がなかった。大して話したこともないクラスメイトたちが、急に輝いて見えた。正直、ボーカルをやっていた友人のことはあまり目に入らなかった。ちなみにその曲は、the brilliant greenの「冷たい花」だった。

そんな経緯があったからといって自分も軽音楽部に入った、というエピソードは全くない。でも吹奏楽やジャズのセッションのような、複数人で音楽を奏でることには興味があった。音楽といえばピアノしかやったことがなく、単独で奏でることしか知らなかったから。

大人になってから、飲みの場の勢いでバンドを組んだ。とはいえ数回しか活動しておらず、ライブをやったこともない。数回目の練習で、経緯は忘れたがOasisの「Don't Look Back In Anger」をやってみることになった。なぜか最初からめちゃくちゃ噛み合って、メンバー全員が完全に悦に入っていた。ボーカルはいなかった。それでも気持ちよくて、「もう1回やらない?」と、スタジオの終了時間まで何度も繰り返した。音楽室で感じた高揚感に近かった。

ほどなくバンドは自然消滅のような形で終わってしまったけれど、今でもあのときの気持ちよさが忘れられず、誰かと音楽をやりたいと思うことがある。

あれから数年経って、ともにOasisを演奏したギターの女の子から、「あのときの音源持ってない?」と久々に連絡が来た。あまりに良かったので、わたしはiPhoneで録音していたのだ。詳しくは聞いていないけれど、彼女もあのとき、わたしと同じような感覚を味わっていたのかもしれない。