(almost) daily corleonis

2026.09.11 Fri.

大井実『ローカルブックストアである: 福岡ブックスキューブリック』の表紙の写真

明日開催されるエンジニア向けイベントでブースを出展するため、13年ぶりに福岡へ向かう。出張が多い夫に「福岡で何をすればいい?」と聞いてみたところ、「ブックスキューブリックに行ってみたら」と言って、この本屋のオーナーである大井実さんの著書『ローカルブックストアである: 福岡ブックスキューブリック』を部屋から持ってきてくれた。本屋を立ち上げた経緯や理想の本屋像、本を媒介に人と町がつながっていくコミュニティのかたちなどを興味深く読み進めるうちに、最終日のフリーな時間はこの本屋に行こうと、ひとり静かに心を決めた。

わたしが住んでいるエリアからだと、長野県松本市からの空路が最も楽なルートだ。久々の国内線は、国際線に比べて拍子抜けするほどステップが少ない。搭乗口の呼び出しから乗り込みまでもあっという間だ。飛び立つときに空港の作業員の人たちが手を振ってくれたことも嬉しかったが、少しずつ小さくなっていく松本の街の中に、大きく手を振っている自転車に乗った学生たちやジョギング中の人々がいてなんだか感動してしまった。彼らにとってはこれが日常の一部なのだろう。

機内ではシャトレーゼの「梨恵夢」という、銀紙に包まれたバター風味の焼き菓子が配られた。本に夢中でタイミングを逃していたら、まわりで銀紙をほどく音がやけに気になってしまい、少し落ち着いてから自分も食べようとした頃には、今度は自分の銀紙の音が浮いてしまって。みんなと同じタイミングで食べなかったことを、なぜだかとても悔やんだ。

あっという間に福岡空港に到着し、地下鉄でホテルへ。初めて降り立った福岡空港は街の中心部にあり、そのアクセスの良さにまず驚かされる。チェックインを済ませると、ちょうど20時をまわる頃。どうせならこの土地のクラフトビールを飲みたいなとGoogle Mapsで検索すると、ホテルから徒歩3分ほどの場所にマイクロブルワリーを見つけたので、早速金曜の夜の街へ繰り出した。

あおぞらブルワリーのHAZY SESSION IPA「TENYA MISTY TUESDAY」
あおぞらブルワリーのHAZY SESSION IPA「TENYA MISTY TUESDAY」

混雑しているかと思いきや、意外と落ち着いた店内。タップの目の前のカウンター席がちょうど空いていたので腰を下ろし、大画面に映るソフトバンクホークスの試合を横目に、常連客の方やスタッフの方から福岡について教わる時間を過ごした。区ごとの雰囲気、食事におすすめの場所、明日イベントが開催される九州産業大学のあたりのこと、先日の地震のこと、そしてこの店で醸造しているビールのこと。ひとつひとつの話に耳を傾けながら飲むビールは、なかなか来れない場所ということもあって特別に感じられた。わたしはHAZY IPAが好きなのだけれど、ここのHAZYは本当に美味しかった(お店に立っていた作り手の方も、定番であり自信作だと胸を張っていた)。

さくっと2杯を飲み干して店を後にし、福岡の街を少し歩いてからホテルへ戻る。ベッドに横たわりながら、読みかけの本の続きを読んだ。明日はいよいよイベント当日。初めての試みで少しの不安はあるけれど、それよりも楽しみが勝っている。少し興奮気味のまま、眠りについた。